社会への取組み 入居者・テナントへの取組み
入居者・テナントに対する本投資法人の役割
近年、災害等に耐えうる強靭な建物の提供、有事の際に被害を最小限にする備えについて、本投資法人が取り組む意義はより大きなものとなっています。本投資法人の保有物件を安全かつ安心を与える空間に、そして日々の生活の質を向上させるような快適な場所にすることが本投資法人の役割であると考えています。
本投資法人は、入居者の「持続可能な生活拠点」又はテナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地に所在する不動産、並びに快適性や安全性など住居としての高い基本性能やテナント企業が求める機能性等を有する不動産に対するニーズが高まりつつあるとの基本認識の下、「戦略的立地」に所在する「高品質」な居住用不動産及び商業用不動産等を「プライム・プロパティ」と呼称し、重点的な投資対象としています。
本投資法人は、「プライム・プロパティ」に該当する物件への投資を通じて入居者・テナントの持続可能な生活や事業活動、そして本投資法人の持続可能な資産運用の双方を追求していきます。
プライム・プロパティの6つの要素

住居についての着眼点
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要素 | 着眼点 |
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経済圏 |
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利便性 |
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居住性 |
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環境配慮 |
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安全性 |
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ブランド |
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オフィスビルについての着眼点
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要素 | 着眼点 |
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経済圏 |
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利便性 |
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機能性 |
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環境配慮 |
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BCP |
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ブランド |
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テナントの安心・安全・快適性
地震への対応
本投資法人は、原則国内ポートフォリオ地震PML(Probable Maximum Loss:予想最大損失率)値を10%以下とし、保有物件個別のPML値が20%を超える場合は、該当物件に地震保険の付保を検討する旨を投資基準で定めています。なお、2023年4月末日現在のポートフォリオ地震PML値は1.9%であり、個別PML値が20%超の物件はありません。
投資比率上位5物件の地震PML値(2023年4月末日現在)
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物件名 | 投資比率(取得価格ベース) | 地震PML値 |
---|---|---|
ガーデンシティ品川御殿山 | 13.0% | 0.7% |
御殿山SHビル | 9.3% | 1.2% |
赤坂ガーデンシティ | 9.0% | 4.3% |
本町南ガーデンシティ | 7.9% | 1.0% |
本町ガーデンシティ(オフィスビル部分) | 7.0% | 3.1% |
水害への対応
本投資法人は、保有物件における内水・外水氾濫、高潮のリスクについて調査を実施し、ポートフォリオの水害リスク状況を把握した上でBCP対策の強化に努めることで、自然災害による被害を可能な限り最小限にする体制を敷いています。2023年4月末日現在、浸水深度0.5m以上の物件はポートフォリオ全体の64.1%となっています。
保有物件における浸水深度分類(取得価格ベース)(2023年4月末日現在)
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浸水深度 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|
0m~0.5m未満 | 0.5m以上 | |||
オフィスビル | 9.3% | 38.8% | 48.1% | |
東京圏 | 9.3% | 22.0% | 31.3% | |
大阪圏 | - | 15.7% | 15.7% | |
名古屋圏 | - | 1.1% | 1.1% | |
住居 | 26.6% | 22.1% | 48.8% | |
東京圏 | 20.9% | 17.5% | 38.4% | |
大阪圏 | 0.5% | 1.0% | 1.5% | |
名古屋圏 | 3.0% | 0.7% | 3.7% | |
その他 | 2.3% | 2.9% | 5.2% | |
ホテル | - | 3.1% | 3.1% | |
大阪圏 | - | 3.1% | 3.1% | |
合計 | 35.9% | 64.1% | 100.0% |
災害に強いオフィスビル
ガーデンシティ品川御殿山は、水害等の災害の危険度が低い高台に位置しており、更には免震構造を採用し、地震に対しても強い構造となっています。また、災害時に備え、共有部への電源供給が可能な自家発電機による非常用電源を確保し、事業継続性に配慮しています。加えて24時間365日稼働の警備防災対応等が可能な防災センターも設置し、有事の際に速やかな対応ができるよう、体制を整えています。
免震構造

非常用電源設備

防災センター

本町南ガーデンシティは基準階床面積400坪超の無柱空間、天井高約2,800mmを確保しながらも、大地震時に建物に作用するエネルギーを吸収させる制震ブレースを各階に配置し、水害に備え3階に機械室を設置するなど、災害時における事業継続性へ配慮しています。


災害に備えた住居
プライムメゾン品川は、地球温暖化防止に加え、東日本大震災以降の節電や防災性能に対する関心の高まりを受けて積水ハウスが開発した賃貸マンションで、非常時の安心・安全を高めるため非常用発電機を導入し、太陽電池・蓄電池と連携させることで停電時の非常用電力供給システムを構築しています。


非常用電力供給システム概念図

自然災害などにより停電した場合には、非常用発電機が稼働し、約19時間にわたり共用部に電力を供給し、太陽電池・蓄電池も連携させることでさらに長時間の通電が可能です。これにより共用廊下・エントランスの照明の一部を点灯し夜間でも動線や安心感を確保します。
また、入居者の集まる場所となるエントランスのコンセントでは携帯電話等の充電もでき、管理室のモニターでは情報の収集も行えます。給水ポンプにも電力を供給するので、断水していなければ共用部や各住戸への給水も可能です。
住居への防災設備等の導入事例
エレベーター用防災キャビネットの設置

プライムメゾン御殿山イーストほか
入居者へ防災備蓄用品の配布

エスティメゾン大島ほか
防災トイレの備蓄

プライムメゾン品川
かまどベンチ

エスティメゾン京橋ほか
AED(自動体外式除細動器)

プライムメゾン横濱日本大通ほか
災害救援自動販売機

プライムメゾン銀座イーストほか
テナント満足度調査の実施
本投資法人では、リーシングの改善・安定稼働のみならず、入居者・テナントとのコミュニケーション及び信頼関係の構築を企図し、定期的にテナント満足度調査を実施しています。
2021年度の調査においては、ESGに対する意識やテレワークの実施状況を含む新型コロナウイルスへの対応も調査項目に盛り込みました。
調査結果については、プロパティ・マネジメント会社や建物管理会社等と共有し、サービスの更なる向上に向けた施策を展開します。
加えて今後は、入居者・テナントの協力・協働が得られるような、ESGへの新たな取組みについても検討していきます。

2021年度調査概要
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調査期間 | 2021年3月~4月 | |
---|---|---|
対象者 | オフィスビル | 入居テナント 32件 |
住居 | 入居者 8,638名 | |
調査項目 | オフィスビル | 全体満足度、ESG、新型コロナウイルスについて 等 |
住居 | 居室や共用部満足度、ニーズ調査、管理状況の満足度、環境問題等への関心度、新型コロナウイルスについて 等 | |
回答率 | オフィスビル | 90.6% |
住居 | 21.4% |
2021年度調査結果
オフィスビル
回答した全テナントが「満足している」と回答

主な高評価のポイント
- 建物のグレード・仕様
- 外装
- エントランス等の内装 等
住居
「概ね満足」、「大いに満足」の回答は合計84.8%

主な高評価のポイント
- 立地の利便性
- 周辺環境の良さ
- 居室のデザイン・雰囲気 等
改善点として挙げられたポイント
- 宅配ボックスの増設
- 駐輪場の増設 等
CASBEEウェルネスオフィス評価認証の取得
ガーデンシティ品川御殿山は、本投資法人として初めてCASBEEウェルネスオフィス評価認証を取得し、最上位である評価ランク「Sランク」に認定されています。また、CASBEE不動産評価認証「Sランク」も取得しており、各認証を組み合わせることによって取得できるCASBEEスマートウェルネスオフィス認証の「Sランク」にも認定されています。
主な評価ポイント
- 回遊可能なラウンジ、共用廊下、全テナント利用可能な屋上庭園、エレベーターの利便性等、利便性向上への取組みが多く実施されている点
- 高耐震、免震構造、法令水準を超える非常用電源設備等、セキュリティ対策への取組みが多く実施されている点
- レイアウト、設備面共に柔軟性、デザイン性の観点で、数多くの受賞歴があるデザインが用いられている点
- テナント会を毎月開催し情報周知、意見のフィードバックを実施している点

CASBEEウェルネスオフィス評価認証の概要
CASBEEウェルネスオフィス評価認証は、建物利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取組みを評価するツールです。建物内で執務するワーカーの健康性、快適性に直接的に影響を与える要素だけでなく、知的生産性の向上に資する要因や、安全・安心に関する性能についても評価し、「1.健康性・快適性」、「2.利便性向上」、「3.安全・安心性」、「4.運営管理」及び「5.プログラム」の5分類の評価項目で点数化され、それにより「Sランク」、「Aランク」、「B+ランク」、「B-ランク」又は「Cランク」の格付が付与されます。
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