社会への取組み 入居者・テナントへの取組み及び
サプライチェーン・マネジメント

入居者・テナントに対する本投資法人の役割

近年、災害等に耐えうる強靭な建物の提供、有事の際に被害を最小限にする備えについて、本投資法人が取り組む意義はより大きなものとなっています。本投資法人の保有物件を安全かつ安心を与える空間に、そして日々の生活の質を向上させるような快適な場所にすることが本投資法人の役割であると考えています。

本投資法人は、入居者の「持続可能な生活拠点」又はテナント企業の「持続可能な事業活動拠点」に適した立地に所在する不動産、並びに快適性や安全性など住居としての高い基本性能やテナント企業が求める機能性等を有する不動産に対するニーズが高まりつつあるとの基本認識の下、「戦略的立地」に所在する「高品質」な居住用不動産及び商業用不動産等を「プライム・プロパティ」と呼称し、重点的な投資対象としています。

本投資法人は、「プライム・プロパティ」に該当する物件への投資を通じて入居者・テナントの持続可能な生活や事業活動、そして本投資法人の持続可能な資産運用の双方を追求していきます。

プライム・プロパティの6つの要素

図版

住居についての着眼点

このテーブルは左右にスクロールできます

要素 着眼点
経済圏
  • 通勤圏内・居住人口・駅乗降客数等の観点から安定的な賃貸需要の期待できるエリア
利便性
  • 主要交通路線や主要ターミナルへの良好なアクセス、商業店舗等の併設
居住性
  • 居住空間としての快適性を与える設計と機能的な設備の設置
  • 快適な共用空間や機能的な設備の設置、サービスの提供
環境配慮
  • 共用部及び専有部の省エネ設備等により環境性能を具備
  • 生物多様性に配慮した植栽やランドスケープデザイン
安全性
  • 災害に対してリスクマネジメントに配慮された建物
  • 安全性の高い立地、建物の耐震性、災害時の強靭性
ブランド
  • エリアとしての人気、物件の認知度
  • 建物グレード・デザイン性等、品質の高さ

オフィスビルについての着眼点

このテーブルは左右にスクロールできます

要素 着眼点
経済圏
  • 商圏人口・居住人口・駅乗降客数等、経済圏としての厚み
利便性
  • 主要交通路線からの良好なアクセス
  • 通勤・集客に資する利便性・商業集積・繁華性等
機能性
  • テナント企業の生産性向上に繋がる快適性を備えた機能設計
  • 十分な基準階床面積やゆとりある空間設計等
環境配慮
  • 省エネ、屋上緑化等、環境性能を具備
BCP
  • 「事業継続性」の基盤となる重要施設を提供
  • 災害に対する立地・スペック両面からの耐性
ブランド
  • エリアとしての品位や建物としての高級感・清潔感

テナントの安心・安全・快適性

地震への対応

本投資法人は、原則国内ポートフォリオ地震PML(Probable Maximum Loss:予想最大損失率)を10%以下とし、個別PMLが20%を超える場合は、該当物件に地震保険の付保を検討する旨を投資基準で定めています。なお、2026年4月30日現在の国内ポートフォリオ地震PMLは2.7%であり、個別PMLが20%超の物件はありません。
海外不動産については、当該国・地域における耐震性の法令上の基準を遵守し、かつ地域でのPMLの取得の可否、地震保険の存否、現地実務等を勘案し総合的な判断を行うものとしています。

国内ポートフォリオにおける投資比率上位5物件の地震PML

2026年4月30日現在

このテーブルは左右にスクロールできます

物件名 投資比率(取得価格ベース) 地震PML
本町南ガーデンシティ 10.3% 1.0%
御殿山SHビル(注1) 4.8% 1.2%
プライムメゾン江古田の杜 2.5% 4.5%
プライムメゾン中目黒 2.4% 3.4%
プライムメゾン湯島 2.4% 2.0%

(注1)御殿山SHビルは2028年4月までに分割して譲渡を予定しています。

水害への対応

本投資法人は、国内に保有する物件の内水・外水氾濫、高潮のリスクについて調査を実施し、これらの水害リスク状況を把握した上でBCP対策の強化に努めることで、自然災害による被害を可能な限り最小限にする体制を敷いています。国内ポートフォリオのうち、浸水深度0.5m以上の保有物件の割合は49.3%(2025年10月31日現在)となっています。

国内ポートフォリオにおける浸水深度分類(取得価格ベース)

2025年10月31日現在

このテーブルは左右にスクロールできます

浸水深度 合計
0m~0.5m未満 0.5m以上
住居 43.3% 36.1% 79.4%
東京圏 35.6% 30.2% 65.9%
大阪圏 0.6% 1.4% 2.0%
名古屋圏 4.0% 1.0% 4.9%
その他 3.1% 3.6% 6.7%
オフィスビル 7.4% 13.2% 20.6%
東京圏 7.4% - 7.4%
大阪圏 - 11.6% 11.6%
名古屋圏 - 1.5% 1.5%
合計 50.7% 49.3% 100.0%

災害に備えた住居

プライムメゾン品川は、地球温暖化防止に加え、東日本大震災以降の節電や防災性能に対する関心の高まりを受けて積水ハウスが開発した賃貸マンションで、非常時の安心・安全を高めるため非常用発電機を導入し、太陽電池・蓄電池と連携させることで停電時の非常用電力供給システムを構築しています。

画像
画像

非常用電力供給システム概念図


画像

自然災害などにより停電した場合には、非常用発電機が稼働し、約19時間にわたり共用部に電力を供給し、太陽電池・蓄電池も連携させることでさらに長時間の通電が可能です。これにより共用廊下・エントランスの照明の一部を点灯し夜間でも動線や安心感を確保します。また、入居者の集まる場所となるエントランスのコンセントでは携帯電話等の充電もでき、管理室のモニターでは情報の収集も行えます。給水ポンプにも電力を供給するので、断水していなければ共用部や各住戸への給水も可能です。

エスティメゾン西天満は、新耐震設計法に準拠する免震構造を採用しており、建物と地盤の間に免震装置を設置することで、地震が起きても揺れが建物に伝わりにくい構造となっています。

免震装置

画像

エスティメゾン西天満

住居への防災設備等の導入事例

エレベーター用防災キャビネットの設置

設備画像

プライムメゾン御殿山イーストほか

入居者へ防災備蓄用品の配付

設備画像

エスティメゾン大島ほか

防災トイレの備蓄

設備画像

プライムメゾン品川

救急キット

設備画像

ザ アイビー オン ボーレン

かまどベンチ

設備画像

プライムメゾン武蔵野の杜ほか

AED(自動体外式除細動器)

設備画像

プライムメゾン横濱日本大通ほか

災害救援自動販売機

設備画像

プライムメゾン銀座イーストほか

緊急用電話機器

設備画像

ザ アイビー オン ボーレン

災害に強いオフィスビル

本町南ガーデンシティは基準階床面積400坪超の無柱空間、天井高約2,800mmを確保しながらも、大地震時に建物に作用するエネルギーを吸収させる制震ブレースを各階に配置し、水害に備え3階に機械室を設置するなど、災害時における事業継続性へ配慮しています。

HK淀屋橋ガーデンアベニューでは、集中豪雨等の水害に備えて、1階床レベルを北側の前面道路から0.5m上げることで建物内への浸水を防いでいます。また、道路からの雨水の流れ込みなどで被害を受けやすい地下1階駐車場にも浸水対策を実施し、車路スロープへの出入り口には、流水量をセンサーが感知して自動的に作動する電動式防水パネルを設置し、想定される水害を防ぎます。加えて、共用部及び専有部への電力供給が可能なビル用非常発電機を設置し、電力会社からの電力供給ストップ時も、電源を48時間供給可能とし、事業継続性を確保しています。

テナント満足度調査の実施

本投資法人では、リーシングの改善・安定稼働のみならず、入居者・テナントとのコミュニケーション及び信頼関係の構築を企図し、定期的にテナント満足度調査を実施しています。
2023年度の調査においては、ESG及びウェルビーイングに関する取組みの実施・検討状況も調査項目に盛り込みました。調査結果については、プロパティ・マネジメント会社や建物管理会社等と共有し、サービスの更なる向上に向けた施策を展開します。

2023年度調査概要

このテーブルは左右にスクロールできます

調査期間 2023年7月~8月
対象者 住居 入居者 8,857名
オフィスビル 入居テナント 62件
調査項目 住居 居室や共用部満足度、ニーズ調査、管理状況の満足度、環境問題等への関心度について 等
オフィスビル 全体満足度、ESG、ウェルビーイングについて 等
回答率 住居 27.5%
オフィスビル 79.0%

調査結果

住居
「大変満足している」、「満足している」の回答は合計78.8%

満足
78.8%

評価のポイント

  • 立地の利便性
  • 周辺環境(治安)やセキュリティの良さ
  • 共用設備の充実(宅配ボックス、駐車場等)
  • 居室のデザイン・雰囲気、水回り設備
  • 清潔感があること
  • 防音性能の高さ
  • 共用部のLED照明など環境への配慮
  • 植栽の安らぎや緑が多い
  • インターネット環境

改善点として挙げられたポイント

  • 無料インターネットの導入
  • カーシェアリングの導入
  • 駐車場・駐輪場の整備
  • 宅配ボックス(置き配)の導入

オフィスビル
「大変満足している」、「満足している」の回答は合計93.3%

満足
93.3%

評価のポイント

  • 立地の利便性
  • 建物のグレード、仕様、外装、エントランス等の内装
  • セキュリティや防災
  • 管理会社の対応や質
  • 快適性や安全性

改善点として挙げられたポイント

  • テナントを対象とした防災設備等の見学会及び使用に関する説明会の開催
  • カフェラウンジや貸会議室のような共用スペースの設置

本投資法人では、テナント満足度調査の結果を踏まえて、入居者・テナントの安心・安全・快適性向上を企図した様々な施策を実施しています。

主な事例

住居
  • 全住戸で無料インターネットの導入(エスティメゾン亀戸)
  • カーシェアリングの導入(エスティメゾン北新宿、プライムメゾン百道浜、エスティメゾン笹塚)
  • エントランスロビーの大規模改修(エスティメゾン豊洲レジデンス)
  • 認証によるオートロック解錠で「置き配」受取を可能とするインターホン設備の改修(シャーメゾンステージ博多他)
オフィスビル
  • 消防訓練の一環として、テナント向けに消火器噴射訓練及びエレベーター非常停止時における救出訓練を実施(本町南ガーデンシティ)

消火器噴射訓練の様子
(本町南ガーデンシティ)

画像

エントランスロビーの大規模改修
(エスティメゾン豊洲レジデンス)

画像

施工前

画像

施工後

ウェルネスへの取組み

住居の取組み

プライムメゾン西早稲田では、共用スペースにコーヒーサーバーを備えたブックカフェを設置することにより、入居者同士のコミュニケーションを促す場を提供しています。また、エスティメゾン豊洲レジデンスにおいて、入居者に豊かな植栽に囲まれた安らぎの空間を提供することを目的として、パティオ内に遊歩道を整備しました。

ブックカフェ

パティオ内に遊歩道を整備

ザ アイビー オン ボーレン及びシティ リッジでは、入居者向けにプール及びトレーニングジムを開放するなどの健康増進の機会の提供や、建物の緑化、コワーキングスペース、ペット用シャワースペース等共用施設の充実化を図り、入居者が快適にいきいきと過ごせる住環境を整備しています。

プール及びトレーニングジムの開放

オフィスビルの取組み

本町南ガーデンシティは、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称バリアフリー法)」で求められる建築物移動等円滑化誘導基準に基づいて設計されており、大阪市で初のバリアフリー法認定を受けたオフィスビルです。

主なポイント

  • オフィスフロアの各階2か所にオストメイト対応及び車椅子対応の多目的トイレを設置
  • 車椅子での使用を考慮した仕様のエレベーターを設置
  • 車椅子のすれ違いを考慮し廊下幅を広く設計
  • 駐車場において車椅子対応の駐車スペース3台分を確保

ウェルネス認証の取得

Fitwel認証の取得

ザ アイビー オン ボーレンは、Fitwel認証において、「★(1つ星)」を取得しています。

主な評価ポイント

  • ジム及びプールを開放し、入居者に運動の機会を提供している点
  • 入居者に緑化スペースを提供している点
  • 防音対策を実施している点
  • 屋内での喫煙を禁止する方針を制定し、運用している点
  • アスベスト等の有害物質を適切に除去している点

<Fitwel認証の概要>

Fitwel認証は、 CDC(米国疾病予防管理センター)とGSA(米国政府調達局)が2017年に共同開発した建物の性能評価システムで、人々がより健康で豊かな人⽣を送るための要素を備えている建物であるか等、建物を利用する人々の健康やウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)を重視しており、7つの健康影響カテゴリーにまたがる12の評価項目で点数化され、それにより1つ星から3つ星の3段階評価で認証が付与されます。

Fitwel認証の詳細についてはこちら

CASBEEウェルネスオフィス評価認証の取得

本町南ガーデンシティは、CASBEEウェルネスオフィス評価認証を取得し、「Aランク」に認定されています。また、CASBEE不動産評価認証「Sランク」を取得しており、各認証を組み合わせることによって取得できるCASBEEスマートウェルネスオフィス認証の「Aランク」に認定されています。

主な評価ポイント

  • 耐震ブレースの導入や、非常用電源設備と十分な燃料備蓄があり災害に強く、カードキーによる入退室システムでセキュリティ対策も充実している点
  • バリアフリーへの配慮、ベンチの設置等、コミュニケーションを活発化させる取組みが実施されている点
  • 意匠・設備共に高スペックな材料やモノの導入、特に冷暖同時利用可能な空調機の導入等の快適性向上への取組みが多く実施されている点
  • テナントへのアンケートを実施し、満足度向上に努めている点

<CASBEEウェルネスオフィス評価認証の概要>

CASBEEウェルネスオフィス評価認証は、建物利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する建物の仕様、性能、取組みを評価するツールです。建物内で執務するワーカーの健康性、快適性に直接的に影響を与える要素だけでなく、知的生産性の向上に資する要因や、安全・安心に関する性能についても評価し、「1.健康性・快適性」、「2.利便性向上」、「3.安全・安心性」、「4.運営管理」及び「5.プログラム」の5分類の評価項目で点数化され、それにより「Sランク」、「Aランク」、「B+ランク」、「B-ランク」又は「Cランク」の格付が付与されます。

CASBEEウェルネスオフィス評価認証の詳細についてはこちら

サプライチェーン・マネジメント

本資産運用会社では、サプライチェーンを通じた持続可能な社会の実現に貢献するために「サプライチェーンにおけるサステナビリティガイドライン」を制定しています。本投資法人及び本資産運用会社の取引先に対しては、本ガイドラインの趣旨と内容への理解と協力を求め、取引先様と協働してサステナビリティへの取組みを推進します。

サプライチェーンにおけるサステナビリティガイドラインはこちら

プロパティ・マネジメント会社の選定・評価

本投資法人では、保有物件の安定した収益の確保及び資産価値の維持・向上を図るため、管理を委託するプロパティ・マネジメント会社の選定基準等を定めるとともに、原則として年に1回プロパティ・マネジメント会社の管理業務の遂行状況等について、外部評価機関を通じたモニタリング及び評価を行い、適正性を検証しています。
評価にあたっては、物件管理能力や業務体制面に加え、企業としてのサステナビリティを推進する組織体制や管理物件における省エネ推進体制も評価対象としています。モニタリングの結果、サステナビリティに関する項目で相対的に評価の低いプロパティ・マネジメント会社に対しては状況をヒアリングし、本投資法人のサステナビリティに対する考え方を共有したうえで、一体となって取組みを推進できるようリレーション強化を図っています。